第2回キャラバン隊 福岡へ(行橋市立中京中学校)
公開授業 | 取材風景 | 九州朝日放送 | NHK |
9/15(木)午前10時。
私は福岡へ向かっていた。
明日は第2回目の授業キャラバン、福岡県行橋(ゆくはし)市立中京中学校だ。
でもその前に
私には、ぜひ、ご挨拶をしなければならない方々がいた。
福岡県教育庁高等教育課の先生方。
私が書いた小冊子「フリーター・ニートになる前に読む本」を
なんと、福岡県内のすべての高校に手配すべく
精力的に動いていただいた。
そのお礼も込めて、うかがった。
指導主事の泉先生は、物腰の柔らかな紳士だった。
高等教育課の多くの先生方をご紹介いただいた。
お一人ずつ名刺交換していると、
ある先生は、
「はじめて会った気がしない」
と言って頂き感激した。
また、特に、川添先生は
一番最初に私の新聞記事にご注目いただいた方だという。
厚く御礼申し上げたい。
泉先生より、福岡県独自で調査した
フリーター関係のアンケート調査についても教えていただいた。
高校生の親の意識が、フリーターについてゆるくなっているようだ。
PTA向けにも啓蒙活動が必要であると痛感した。
帰り際に、
機会があったら福岡に講演に伺います、と堅く握手をして別れた。
楽しい訪問となった。
私はそのまま、宿泊先の西小倉に向かった。
明日は中学3年生3クラスに授業をする。
公開授業は3時間目だ。
行橋市の教育庁の先生はじめ、
地区の6つの中学校から代表の先生方が見学に来られるという。
その他、フリースクールの方など
多くの見学者があるという。
光栄である。
見学者が多いほど私は燃える。
がしかし、さすがに前日は一抹の不安がよぎる。
「もし失敗したらどうしよう」
見学者の中には、
「お手並み拝見」とばかりに目を光らしている先生もいる。
私の招聘に骨を折っていただいた、現地の先生のためにも
やはり失敗はできない。
ということで、
前日はホテルにこもり、静かに過ごす。
明日はきっと成功させてみせる。
9/16(金)授業当日。
予定より早く目が覚める。
実はまだ夏風邪が抜けきっていない。
しかし、仙台キャラバンのときよりはずっといい。
ただ今回は3回転である。
しかも10分の休み時間の間に
教室を移動し、PCとプロジェクターをセット、
ビデオカメラも回したい。
忙しくなりそうだ。
実は中学3年生への授業は初めてだった。
一般に、高校生は中学生よりも反応が悪い。
中学3年生はどうだろうか。
校長先生に挨拶し、教室へ。
公開授業は3回転目だったので気楽だった。
授業はスイスイと進んだ。
1時間目はビデオを回さなかった。
2時間目の授業では少しトラブルがあった。
PowerPointの音が出ない。
おまけに、私が苦手とする「スマートボード」での授業だった。
案の定、ミス。
しかも3回も。
生徒たちの感想文をまだ見ていないのでどうともいえないが
申し訳ないことをした。
おまけに、授業中に学校の周辺を暴走族が巡回した。
いたのか、ヤンキー!
爆音に、教室の秩序が乱れる。
「彼等はフリーターかねえ?」
と言ったら、ウケたが。
その生徒の中に、ひとり気になる女子生徒がいた。
フリーター・クイズの最中に、露骨に腕組みして寝たふりをした。
内容の何かが、彼女の心に触れたのだろう。
眠っていないことはあきらかだった。
高校生はよく、このようなリアクションをする。
中学3年生にもなると、いろいろと事情があるのだろう。
そして公開授業。
教室を大移動。
大急ぎで用意。
廊下まで、見学者が溢れた。
前回の仙台よりも多い。
メディアの方もたくさん来た。
テレビ局が2社(NHK、九州朝日放送)。
新聞社が3社(朝日新聞、読売新聞、西日本新聞)。
また行橋市役所の広報の方も。
舞台は整った。
しかしここで注意が必要だ。
私よりも、生徒だ。
前回の仙台では、生徒がコチコチになってしまった。
「ここ笑うところだよ」
と指示を出しながらの授業だった。
それだけは避けたい。
そこで授業の導入として、コミュニケーション・ゲームを行った。
→ 授業ビデオはこちら(かなり粗いです)
ピーター・クラインの「Good&New」。
愛用のクーシュ・ボールの出番だ。
これは私が授業の中で、最後のクイズとして使うボールだ。(毒リンゴ代わり)
計算どおり、教室には瞬時に笑いが起こった。
これでもう大丈夫だろう。
授業は最初から、ハイテンションに進む。
とにかくよく笑う生徒たちだった。
それに乗せられて、私も気持ちよく授業できた。
また授業前に「仕込み」も済ませていた。
教室の最前列に座る男子生徒の表情がいい。
彼の肩を叩きながら、
「いい絵を撮ろう。一発、頼むよ」
とお願いしておいた。
彼は、テレビカメラがまん前にあるときに
抜群のコメントをしてくれた。
それは思いっきり、九州朝日放送に流れた。
大成功だ!
とにかく何もかもが上手く回った。
やや私自身が早口になってしまったことを除いて。
実は今、授業ビデオを編集している最中なのであるが、
見直してちょっと凹んだ。
「口、早すぎ!」
でもおかしい。
授業は爆笑の渦。
教室の隅々まで目が行き届いていたし…。
時間中、生徒たちとの一体感をつねに感じていたし…。
とするとあの50分は、
一種異様な空間だったのかもしれない。
みなが息を詰めていた。
それでいて、
わずかなギャグも許容される余裕があった。
しかしここからも学ばなければならない。
教室の空気と一体化したときでも
あえて、その空気を操作することができなければならない。
よい勉強になった。
私には2時間目はない。
たった1時間だけの先生だ。
彼らと交流するのはたったの50分。
一生の内の、たったの50分なのだ。
そうした自覚のもと、
来週の長野キャラバンに向かおう。
上段:九州朝日放送 下段:NHK |
9/17(土)福岡キャリア教育研究会。
地元の先生方との勉強会。
私は40分間の講演を行った。
2時間目の授業の提案だった。
これはものすごいコンテンツなのである。
参加者の先生方の評判も上々だった。
詳しくはここでは書かないが
物語を語ることで、
「働くことの意味」
「努力の意味」
「生きることの意味」
を語る授業なのである。
授業者のアイデア一つでどうとでもなる授業だ。
原理原則を1つだけおさえておけばいいのだ。
もちろん、私自身も授業を開発中だ。
いずれ、公表したい。
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