平成18年度 10月キャラバン報告 その1  10/2〜10/6まで 

10/2(月)沖縄県 恩納村立恩納小中学校 全校生徒 約200名
  


沖縄の海である。
恩納村は沖縄本島の中間に位置する。
あの有名な万座ビーチがある。
今回訪問した恩納村立恩納小中学校は
この万座ビーチのすぐそばにある。
しかし上の写真はバスから撮った移動中のものだ。
9月が終わると沖縄の天気は不安定になるが
やはりこの日も、雲がものすごいスピードで移動していた。
お天気雨にやられた。

万座ビーチも見に行った。
沖に突き出た万座毛。
聞くところによると沖縄の岬の突端はみんな「自殺の名所」だとか。
万座毛にも幽霊がでるとかでないとか。
沖縄県は自殺者の多いところだが
県外出身者が多いという。
地元の人には迷惑な話だろう。

  

恩納小中学校は名前の通り小学校、中学校併設である。
確か、幼稚園も同じ敷地にあったと思う。
私の目の前に小学5、6年生。
その後に制服姿の中学生が並んだ。
10月であったが幸い、冷房完備。
これはありがたかった。

  

前日、地元の先生に居酒屋に連れて行っていただいた。
元祖「海ぶどう」といって有名なお店だ。
社長さんもおられてご一緒した。
神奈川出身ということでいろいろとお話した。
何でも、恩納中学校に息子さんがいるという。
明日そこでやるんですよ。
そうかい、ということで、
「かりゆし」をいただいた。
私が来ているのはその服だ。
よく政治家が沖縄入りすると「かりゆし」に着替えたりしている。
こちらでの「正装」になる。

  

私は沖縄では数回講演している。
その様子など話していた。
南国なのに、以外と物静かに聞いていた、と言うと

「この服を着て授業をしてみろ、受けること間違いなし」

と言われた。
スーツにネクタイではまるでよそ者とのこと。
そうか。
ということでこのスタイル。

 

講演開始前に前に立っただけで小学生から

「沖縄の人?」

と声をかけられた。
すでに「かりゆし効果」だ。

講演は大変盛り上がり、楽しい時を過ごした。
雲間から太陽が出ると、ジリジリと皮膚を焦がした。
まだまだ夏は終わっていない。
その余韻のまま明日から長野へ向かう。
那覇空港でかりゆしを脱ぎスーツに着替えた。


10/4(水)長野県 飯田市立竜丘小学校 6年生×1クラスの予定が…

10/3(火)にTBS「イブニング・ファイブ」の収録があった。
東京の若者自立塾へ行った。
元ニート経験者との面談を終えて八王子まで送ってもらった。

時間があったのでスタッフの方々とファミレスにて昼食。
ディレクターのK氏とカメラマン。
その際、カメラマンの方がカメラをレストランに持ち込んだ。
でかいカメラだ。
きっと高価なカメラなのだろう。

「やっぱり大事なものだからつねに持ち歩くんですね」

と尋ねると

「それもありますが…」

例えば近所で事故があったりしたら
そのまま駆けつける。
とにかく「絵」を押さえる。
物事をつねにファインダーを通して見るように訓練付けられているらしい。

何か決定的瞬間に遭遇したとする。
突然のことで見入ってしまったとする。
そのときこう思うそうだ。

「…目でみちゃった」

これには思わず爆笑。
「目で見ない」ということがカメラマンには求められるのだ。

 
  
うっかり飯田線を使ってしまった。
八王子から行けども行けどもゴールは見えず。
56駅を2時間かけて進んだ。
乗客といったら高校生ばかり。
スクールバスのような電車だった。
2車両だったが、車掌さんが一人で切り盛りしている。
ほとんど無人駅なので
駅に停まるたびに車内を歩き回り
駅にも降りて切符を回収する。
見ていて慌しい。
もの凄い運動量だ。
多くの乗客はすべて入れ替わったが
私だけがぽつんと一人。
ああ、我のみ一人。
夜の闇に吸い込まれるがごとく…

その晩は地元に一泊。
上の写真は小学校のある「時又駅」だ。
彼岸花が美しかったの写したがほとんど見分けが付かない。

  

飯田市立竜丘(たつおか)小学校の6年生は大変元気だった。
教室も「コ」の字に並べてあって準備万端。
授業は快調に進む。

 

沖縄が真夏の気温で
こちら長野はやや涼しい感じ。
さして気にもとめなかったが、これがのちに大変なことになった。
それはともかく…

竜丘小学校の6年生は3クラスあった。
当初約束の1クラスの授業を終え校長室へ。
一緒にご参観いただいた校長先生とお茶を飲んでいたときだ。

「先生、今日の予定は?」
「はい、長野が3日続くのでとりあえず宿へ移動します。」
「今日は暇じゃろ?」
「はい」
「あと2クラスあるんじゃが…」

ということで急遽時間割変更。
残り2クラス合同の特別授業となった。

  

沖縄の余韻か、心なしか暑い。
上着を脱ぐ。
そして授業は進む。
みなさんとても元気で熱心だった。
そして学校を後にした。

移動はあの飯田線だ。
ダイヤがない。
飯田駅で電車は停まった。
次の電車まで1時間以上ある。
ちょっと飯田駅前を散策してみた。

 

駅舎の赤い屋根が美しい。
しかし町を歩くと…

 人がいない

 人がいない

 人がいない

 人がいない…

別に人を避けたわけではないが本当にいないのだ。
美しい町なのにもったいない。
恐らく夜になるとネオンが賑やかになるのだろうが…
飯田市というと、大きなイメージがあったのだが。
(この先入観があったので11月に松本市に行ったときは逆にびっくりした)

 昼飯

びっくりしたからというわけではないが
これがお昼ご飯。
100%ブルーベリージュースと
駅の売店で買った「高松のココアクリームサンド」だ。
高松というのは、パン屋のタカマツさんという意味だ。


10/5(木)長野県松川高等学校 1年生 約150名 

  

私はこの日訪れるまで
てっきりこの学校は私立だと思っていた。
「長野県立」の「立」の1字が抜けていたからだ。
千葉県に「千葉県安房西高校」という私立学校がある。
それで勝手に思っていたのだ。
しかし違った。
長野県は全県で「立」がないらしい。
どうやら北海道のそうで「道立」とはいわない。
全国で長野県と北海道だけだろう。



いつもそうだが、小学校からいきなり高校へ来るとギャップを感じる。
問いかけへの反応が極端に落ちる。
しかしだからといって集中していないかというとそうではない。
じっと耳を傾けてくれている。
話す内容はほとんど一緒だが
やはり高校生に向かうときにはちょっと気を引き締めて行っている。

終了後、松代へ移動。
今回の長野キャラバンでは長野県を南北に縦断した。
ほんとうに大きな県だ。
知事一人で、よく治められるなと思った。


10/6(金)長野県 長野市立篠ノ井東中学校 全校生徒 約400名

  

実はこの前日風邪を引いた。
風呂に入ってベッドにもぐりこんだとき足が冷たかった。
少しいやな予感がしたのだが…
そしてこの日から2ヶ月間
抜け切らぬ風邪と付き合っていくことになる。

近所で起こった殺人事件のためにテレビ局の取材がなくなった。
講演は無事終わり東京へ。
帰りは長野新幹線だ。
早い。
飯田線にはもう乗ることはないだろう。
しかし今にして思えば
飯田線沿線の風景はすばらしかった。
日本の原風景をいう感じがした。
全国キャラバンをして思うのは
地方都市の至る所にある、イオン、マック、ファミレス…
ボーダレス化が進む。
都会人のエゴではあるが
昔の日本らしさが消えていくのはなんとも惜しい気がする。



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